夏バテの原因は●●
夏バテ・・・それは夏の終わり頃にやってくる。
“何もしてないのに体がだるい!食欲が無い、胃もたれ、下痢など胃腸がおかしい!”
病気とは言えないが不快な症状の数々・・・・。
すでに夏バテになっている人も、予備群の人も、その原因と対策を知って乗り切りましょう。
それでは、さっそくお伝えします。最近の夏バテの主な原因、それは・・・
ズバリ!!冷え です!
え~っ!暑さにやられて起こるんじゃないの?
その疑問はごもっともです。
私の子供の頃の夏は連日猛暑が続くこともなく、もちろん35度前後なんてありえないし、朝晩は比較的涼しく過ごせていたように思います。
しかし、近年の猛暑では朝のニュース番組でも盛んに「冷房を付けましょう。不要な外出は控えましょう。過去最高の気温です。」などの呼びかけが何度もあり、お天気コーナーでは道路や日陰など色々温度計で測って教えてくれるので、多くの人達が暑さによる危機を感じています。
冷房が行き届いた店内やオフィス、自宅でも一日中冷房を付けて過ごすことが当たり前のことになってきた現在では、外気温との差も非常に大きく体の温度感覚も狂いがちです。そして外に出ると暑さを凌ぐ為に冷たい飲食も必要以上に取ってしまいます。
そんな日常を繰り返している体の状態はどのようになるかというと・・・。
体に冷えが入ってくる!
主な冷えの原因ルートは2つ!
体の外からと内からです。
- STEP1冷房などで長時間体を冷やす。
- STEP2皮膚からの発汗・放熱が減少する。
- STEP3熱が体にこもる(蓄熱)。
- STEP4室温が適温になっても蓄熱により体が熱いと感じる為、体を更に冷やし続ける。
- STEP5通常は冷えることがない内臓まで冷える。
- STEP6胃腸も冷えて動きが悪くなる。
- STEP1暑さを感じる
- STEP2冷たい飲食を取る
- STEP3胃腸は冷えるが、体内深部は体温を維持できる仕組みになっているので頑張って動いている。
- STEP4体はまだ熱いと感じている
- STEP5更に冷たい飲食をする
- STEP6胃腸の働きが弱る
この2つのルート、どちらも最後に胃腸の冷えが起こります。
これを何度も繰り返していると、やがて胃腸は疲弊して上手く働けなくなります。
胃や腸の働きのことを東洋医学では総じて『胃』と呼び、入ってきた食物を原料にして体を動かす原動力である血や、体の防御網の役割をする気を作り出す重要な働きをするところです。原料がいくら入ってこようと、血や気が作り出せないと元気がなくなり、免疫力が落ち「だるい~、風邪ひいた~」と次々と症状を引き起こしてしまいます。
胃腸の疲弊は暑さ(熱)によっても起こります。従来の『夏バテ」はこちらの原因の方が多かったかもしれません。しかし、近年の猛暑続きのせいで”いつの間にか過剰に体が冷えすぎる”機会が増えてしまい、『冷えによる夏バテ』の方が急増しているのだと思います。
さあ、対策です。
冷えが原因の夏バテの対策は、もう気がつきましたね?
- 自分の感覚だけでなく温度計を利用し温度調整を行う。
エアコンの設定温度と室温は違います。自分の周りの空間が27度前後に調整する。 - 温度調整が難しい場合は、衣類や掛物で調整したり、温かい飲食を取る。一旦(用事がなくても)小まめに外に出てリセットする。
- 日頃から胃腸を労わるように意識して生活する。
冷えたかな?と思ったら、食事は温かく消化の良い食べ物を。
『熱中症』の回で紹介している「甘酒」は消化も良く滋養に優れた食品です。夏バテ予防に毎日少量(50㏄くらい)ずつ飲むことをおすすめします。
すでに夏バテで食欲がない時にも温めて飲まれると良いですよ。
それでも症状が改善しない方は 「奥の手」 を試してみましょう。
胃やおへその上に手や何か温かいものを乗せてみてください。
気持ち良いと感じたら、『冷え』の可能性があるので(夏だけど!)使い捨てカイロや、ホットタオルを用意しておへそを中心に移動しながら温めてください。体がポカポカしてきたら終了です。
注意点として、
①ホットタオルは冷たくなる前に取ること、または交換してください。
➁気持ち悪い、又は、のぼせた感じがある場合は直ぐに中止してください。
この場合は「中に熱が籠っている」可能性があるので、水分を取り、頭を冷やす、室温を下げるなどしてください。
「熱」は上に上昇する特性があり、それは人間の体も同様です。「頭寒足熱」状態にして体内の滞っている熱を循環させてあげると発散しやすくなります。
食べ方にひと工夫。
今は管理体制が整備されていて一年中色々な野菜が季節に関係なく手に入る時代ですが、本来、夏に収穫されるトマト、オクラ、冬瓜、ゴーヤ等々「夏野菜」には体の熱を冷ます働きがあり、特に苦みがあるものは作用が強いとされています。なので、元々胃腸が弱い人や、今回のような冷えにより胃腸が弱った人は夏野菜は避けた方が良い食材です。
しかし、これにも裏ワザがあります。
「夏野菜」はスープや煮物など、しっかり火を入れて調理すると冷やす作用が和らぎます。
旬のものはエネルギーが豊富で、しかも安い!
これを取り入れないのは勿体ないですよね。
いかがでしたか?
『暑さでの夏バテ』も『冷えでの夏バテ』も胃腸の働きが関わっていますが、対処の方法次第で悪化する場合もあるし、早くに回復することも出来ます。
この残暑を元気にお過ごしになれますように。最後までお読み頂きありがとうございました。
2023.夏